正解です!
虫歯を引き起こすバイ菌は母親(保育者)から感染します。
●口の中には菌がいっぱい!
赤ちゃんが生まれるその瞬間から多くの細菌との共生が始まります。人の口の中には約300~400種の細菌が住んでいると言われ、これらの働きにより口の中の健康が維持されたり、病気が引き起こされたりするのです。但し、病原性を持っているものは少数派です。これらの細菌は歯や歯茎の表面・歯と歯茎の境目のごく狭いすき間・唾液・粘膜・舌の上・扁桃等をすみかにしています。
●いつ感染する?
ミュータンス菌はいつ頃から口の中に現れてくるのでしょうか。多くの研究から2~4歳頃に主に母親(保育者)から感染することが明らかになっています。つまり、母親の口にミュータンス菌が多いと子供にも多くなるという訳です。
●虫歯って何?どうしてできるの?
虫歯の原因はこれだ、という決定的なものはありません。多くの要因が複雑に絡み合って起こり、主に以下の3つがあります。
これら3つが重なると虫歯ができると言われています。1つや2つだけの要素があっても、虫歯はできないのです。またここに
が加わることもあります。つまり、3つの重なりが短時間であれば、必ずしも虫歯は発生しません。しかし、これらの要素は各人によって条件が異なります。
●プラーク(歯垢)のたまりかた
口の中の細菌で虫歯の病原性の高いものは、ミュータンス菌と乳酸桿菌(かんきん)の2つです。ミュータンス菌は直接歯の表面に付着します。そしてグルカンを作り、歯の表面に頑固にくっつくようになります。これがプラーク(歯垢)で、他の種類の細菌も簡単に付着できる足場になり、どんどん細菌の種類と量を増やしていきます。
●酸で歯が溶けて虫歯に!
プラーク(歯垢)の中で細菌も生きて行くために栄養(糖質)を取り入れ、エネルギーを獲得します。その過程の中で酸もできてしまうのです。プラーク中に酸が長く溜まっていることにより歯の表面からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出て、虫歯になっていきます。また、ミュータンス菌は酸性の環境であっても絶え間なく酸を作り続けます。例えば、夜寝ている間(何も食べていない)でもプラーク内に貯えている糖類を使って酸を作り続けるのです。
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正解です!
歯磨きさえすれば良いというわけではありません。
●虫歯菌の家は、どんなところ?
虫歯の病原性の高い口の中の細菌は、ミュータンス菌と乳酸桿菌(かんきん)の2つで、乳酸桿菌自体は歯の表面へくっつく能力を持っていません。しかし、住める場所(ベッタリついたプラーク・虫歯の凹み・合っていない詰め物や被せ物との隙間・奥歯の深い溝や凹み等)があれば居着いてしまいます。そして、酸のある(pHが低い)環境で育ちやすく、それ自身も乳酸を作ります。乳酸桿菌が多いということは口の中全体の環境が悪いということになります。
●歯磨きの意義
口の中の細菌は、プラーク(歯垢)中に存在しており、作られた酸もプラークの中にあります。プラーク中にはグルカンもあります。
歯磨きをすることはこのプラークを除去することを意味します。歯磨きは虫歯を予防する上で大切なことなのですが、四六時中何かを食べていたりすると細菌の栄養源は絶え間無く供給されることになり、細菌の最良のすみかが提供されていることになります。歯磨きをいくらやっても焼け石に水という感じになりますね。
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正解です!
うがい薬だけでは、虫歯は防げません。
うがい薬も最近は多くの種類が市販されています。殺菌力はもちろんありますが、プラーク中の細菌にはグルカンというバリアーがその効果を阻止します。うがい薬だけに頼るのは危険です。
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正解です!
甘いものだけが、虫歯の原因ではありません。
●虫歯菌の大好物とは?
砂糖は細菌により簡単に分解され、酸やグルカンを作ります。しかし、これは砂糖だけに限ったことではありません。果物に含まれる糖分やデンプンも細菌にとっては同じです。甘くなくても食べた後、長い時間ベッタリ歯にくっついているものが、細菌は大好きです。
つまり、食べるものの内容よりも食べる時間が問題と言えます。また、食物の好みや食習慣は家族構成・家族の嗜好・しつけに左右されることが多いです。一人だけ(子供だけ・大人だけ)の問題ではありませんね。
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正解です!
キシリトールガムだけでは、虫歯は予防できません。
キシリトールが最近、話題になっています。これは自然界の植物に広く存在する糖アルコールの1種です。これは細菌によって酸やグルカンが作られません。キシリトールだけでなく、糖アルコール類全般・パラチノース・合成甘味料も同様の働きがありますが、特にキシリトールはミュータンス菌の歯の面への付着を阻止したり、数を減少させることができるため虫歯の予防に効果的です。
但し、キシリトール入りガムをかんでいるだけで虫歯にならないという訳ではありません。予防方法の一つと考えると良いでしょう。市販のガムにもキシリトール入りと表示してありますが、含有量は製品によってまちまちです。多くても50%程度ですから、信用し過ぎるのは危険ですよ。
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正解です!
歯の一番外側はエナメル質といって、食物をかむためと歯の本体をなしている象牙質を保護するために体の中で最も硬くて緻密な組織になっています。つまりカルシウムやリンを含む結晶構造になっています。これはとても酸に弱く、簡単に溶けてしまいます。(脱灰)エナメル質では最表層というより少し中に入った部分から溶け出すことが多いです。
しかし、一方では修復も簡単に行えます。唾液中に含まれるカルシウムやリンの濃度・唾液のpHにより溶けてしまった部分にまたカルシウムが再沈着できる(再石灰化)のです。虫歯というのはこの脱灰と再沈着のバランスが崩れたときに起こるのです。小規模な脱灰と再沈着は私たちの知らない所で日常的に繰り返されているのです。
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正解です!
生えたばかりの歯は形は歯そのものですが、その結晶構造は未成熟です。唾液に触れることにより結晶構造は強固なものになっていきます。フッ素が歯の周囲にあればより強固なアパタイト結晶が作られます。
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正解です!
象牙質はエナメル質の内側にある歯の主体を為す組織ですが、高齢になったり無理な歯磨きを長期間続けていると歯と歯茎の境目のところから口の中に直接、象牙質が露出するようになってきます。エナメル質よりも脱灰されるpH(酸性度)が高く、虫歯になりやすいです。歯周病の治療を受けている人は歯茎の炎症状態が改善されてくると歯の根の部分が見えてくることがあり、その部分は虫歯になる危険度が高くなります。
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正解です!
フッ素は毒性を有する物もあり、取り扱い上注意しなければなりませんが、フッ素配合の歯磨き剤は取り扱いの心配をする必要はほとんどありません。積極的に使っていくことが必要な人もいるのです。
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正解です!
虫歯を早期に見つけることは、大切です。再石灰化を促進できる方法や虫歯になる危険度を見つけられるからです。
しかし、見つけたからすぐに削って詰め物をするのは、これからの虫歯治療の方向とは言えません。複合的な原因が、必ず1本の虫歯にでもあるのです。それに対する処置を何も施さないで詰め物をしても、また新たな虫歯ができてしまいます。治療したその歯もまた虫歯になる可能性もあるのです。逆にただ単に虫歯を削るのはよくないということで放置すれば、虫歯はどんどんひどくなっていきます。
虫歯ができた原因に対する解決策・再石灰化の進み方等を歯科医療スタッフの管理の下であなた自身が一生虫歯を作らないために自分にあった方法を実行していくことが大切です。
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