虫歯の予防のポイント - 乳歯の虫歯予防 3 -
虫歯の予防のポイント
1. 歯に付着している汚れを取り去る(歯ブラシ)
虫歯の元はプラークです。これはうがいでは取れません。歯ブラシを使いましょう。6~7歳位までは子供だけでは無理です。大人がきれいにしてあげましょう。子供を膝の上に寝かせると口の中がよく見えます。
上の前歯は上唇をまくり上げるようにして歯と歯ぐきの境目に歯ブラシを当てます。そのまま歯ブラシを振動させるようにします。決して歯ブラシをゴシゴシ横や縦に動かさないようにして下さい。毛先が動くと柔らかい歯ぐきをこすって痛がります。歯ブラシの持ち方は、鉛筆を持つようにすると力が入り過ぎません。歯ブラシ嫌いにならないように注意しながら磨いてあげて下さい。下も同じ要領です。奥歯の噛み合わせは歯ブラシの毛を歯に直角に当て、小さくゴシゴシ奥から前へ動かします。
歯磨きが終わればしっかりブクブクうがいをして下さい。2歳くらいからうがいができます。水や番茶を口にふくんで唇を閉じてホッペや唇を大きく動かします。大人の口元を見せて一緒に練習しましょう。自分でもやりたがるようになれば子供専用の小さめの歯ブラシを持たせます。食事やおやつの後は歯ブラシを持つ習慣を身につけさせます。歯磨き剤はうがいができるようなら使ってもよいでしょう。フッ素入りのものが良いです。
2.虫歯を作るバイ菌の栄養分になる糖分を減らす(おやつ・食事)
バイ菌の数が増えなければ虫歯はできにくくなります。虫歯を作るバイ菌の一番の栄養源は砂糖です。子供は食事以外に「おやつ」を食べることが多いです。「おやつ」は子供にとって楽しみなものではありますが、食べ方によっては虫歯を作りやすくなります。
虫歯を作りやすい食べ方
- だらだらいつも何かを食べる(袋ごと持って食べる)
- 砂糖量の多いものを食べる(ジュース等の飲み物にも注意)
- 歯にべったりつきやすいものを食べる
- 夜間、哺乳瓶にジュース、乳酸菌飲料、スポーツドリンク等を入れて飲ませるのは上の前歯に虫歯を作るようなもの
虫歯を作りにくい食べ方
- 食べる時間を決める(おやつは1回15分位)=規則正しい食生活
- 飲み物と一緒に食べる(お茶・牛乳はベスト)
- 砂糖量の少ないものを食べる(キシリトールなど、虫歯を作りにくい甘味料を使った食品もあります。)
3. 虫歯になりにくい硬い歯を作る(フッ素を利用)
フッ素は、口の中の細菌が作り出す酸に対して抵抗力のあるエナメル質表面の構造に変換します。 生えたての歯は歯の形はしていますが、まだその硬さは十分ではありません。ものを噛んだり、唾液にさらされることでより硬いものになっていきます。(唾液中にもわずかですがフッ素も含まれています)この時期にフッ素の溶液を歯の表面に塗ったり、その液でうがいするとより酸に強い歯を作ることができます。フッ素を使用するしないに拘わらず、歯の磨き方・歯並びの状態・顎の成長発育等歯科医院で定期的に診てもらうことが大切です。フッ素の塗布は、原則として保険が適用されません。
歯科医院で出来ること(専門家が行うもの)
- ○フッ素の歯面塗布
- 歯科医院で定期的にフッ素を歯の表面に塗布してもらいます。乳歯の生え揃う3歳と永久歯の生える6~12歳の間に定期的に塗布するのが最も効果的です。
家庭で出来ること
- ○フッ素入り歯磨き剤の使用
- 市販品にもフッ素が添加されているものが多くなっています。歯科医院専売のものは、研磨剤の量が少なかったり、全く添加されていないのでおすすめです。歯ブラシにつける量は通常の歯磨き剤の場合より多めに歯ブラシの毛の部分全体につけ、なるべく長時間(2~3分以上)ブラッシングして下さい。
- ○フッ素洗口
- 歯科医院で薬を処方してもらい、1日1回ブクブクうがいをします。量・使用方法などしっかり指導を受けてから行います。
フッ素を塗ると歯が黒くなるの?
フッ素の溶液を歯に塗っても歯の色は変わりません。但し、フッ素ではなく虫歯の進行を抑えるための薬を塗布すると虫歯になっている部分と反応して、歯の色が黒くなることがあります。この薬は、虫歯の治療をしにくい低年齢の(まだおとなしく診療台に座ることの出来ない)子供に使用し、処置のできる年齢まで経過を観察することがあります。